ノスタルジー
この言葉を聞いて思い浮かべるものは人それぞれでしょう。
人によっては
夏休みの蝉の声
せせらぎの音
田舎の風景
人によっては
冬のストーブの上のやかんがシュンシュン言う音
はたまた
白黒写真の祖父や祖母の写真
私にとっては 母方の祖父母の家の振り子時計の音
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物心ついた時からそれは 家に入って土間を抜けた部屋の柱の上で時を刻み続けていた。
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昨年 夏休みに祖母(健在)の家に行った際に この振り子時計が止まっているのに気づいた。
聞けば 少し前に 「ガチッ」という音とともに止まったのだとか。
ゼンマイが切れたのかなぁ という事だが 修理するのも面倒だし そのまま放置しているのだとか。
実はこの時計、前から欲しかったので 貰って帰る事に。
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ちなみにこの2日ほど前に中学時代の同級生と飲んだのだが こいつが時計屋をやってる。しかも振り子時計、高級腕時計の修理なども自分で出来るいわゆる 職人さんだ。
で、飲んだ際に ボンボン時計の修理って可能かとか話していたのだ。
曰く、「愛知時計の製品なら品質も良くて修理可能。ただし自己流で修理とかして変な事してたら無理。」
※たまに自己流で修理して 時計屋から見たらメチャクチャな状態にしてしまう人もいるんだとか。
この前段があったので早速 壁から外し いつも下から遠目で眺めるだけだったので初めて間近で時計を見ることに。
盤面には「AICHI TOKEI 21DAYS」の文字
後ろを見るとNO.2554 の張り紙と前回オーバーホールした際に記載されたと思われる
昔なじみの時計屋さんの修理保険証 その日付が 昭和44年・・・
聞けばこれ以来修理はしてないって。。。私より年上のこの時計がずーっと動いてたって事か
で母親からよく聞かされていたのが
「第二室戸台風のときこの時計の真下まで水が来たんよー」
(祖父母の家は岸壁から数mの場所だったそう。今現在は埋め立てが進んで海は数十m先になっている)
第二室戸台風って 昭和36年。すげぇ
(後々調べてみると 愛知時計の21DAYS:三週間巻きは 昭和33年から35年までしか販売されてなかったそうな)
とまぁ年代物だがメーカーは友達が言ってた修理可能なメーカー製。早速友達に連絡して その足で店に伺ってまず修理可能かどうか見てもらう事に。
は、御開帳ぉ~
結果:直るよこれ
故障原因としては 鐘を鳴らすハンマーを元の位置に戻すバネが折れてハンマーが戻らなくなりギアにあたって止まってしまってたとの事。
あと、油とか固まってしまってるから全部バラして油も指し直ししたらまた何年も動くよ と嬉しい言葉。
って事で オーバーホールも決定!
ただ、バネが切れたら終わりらしい。
(ちなみみバネが切れる時には爆発したような大きい音を立てるらしいの ガチッ と言って止まったと私が言った際に それはバネ切れてないよ と断言してた。)
バネも巻いてあるのを伸ばして油を塗り また時計に収めるので結構大変な作業のよう。
そして修理+オーバーホール、加えてそこらで簡単に修理できるような代物でもないので 代金は覚悟してたのだが 想定価格は思ったより安く、商売下手やなーと友人と笑いあい。
かくして 祖母から譲り受けて2時間経たないうちに私の手を離れて修理となった。
(後編へ続く)